KAYA 〜温羅の伝説〜

岡山の地で御伽噺「桃太郎」の源流とされているのが『温羅』の伝説である。この物語は室町時代の成立と推定される『鬼城縁起』に始まり、幕末期の『吉備津宮縁起』に至るまで残された六つの資料に様々に変化しながら書き留められている。

鬼についても「天竺(インド)から来た鬼神『剛伽夜叉(ゴウキャヤシャ)』」、「日本侵略に来た新羅国王『(吉備津の)冠者(カジャ))』」、「大唐の白斉国皇帝だった『吉備津冠者(キビツノカシャ)』」、「百済の王『温羅』」、「百済の皇子『温羅』」と変化し…その最後も、首を斬られ退治されたとする『鬼城縁起』以外は降参して吉備津彦の家臣、吉備の守護神となり、180歳まで生きたとする資料もある…
果たして温羅の正体は何だったのか? 吉備津彦は何故281歳まで生きたのか?
古代出雲、ヤマト王権、都怒我阿羅斯等(つぬがあらしと)、百襲媛、たたら製鉄…
そしてKAYA とは?

桃太郎からラーマヤーナまで、想像力の翼を広げ古代史の謎を解く渾身のパフォーマンス!演劇・音楽・舞踊・美術…様々なジャンルのアーティストが集結し、繰り広げる、幻想的スペクタクル!
今、岡山の大地に温羅が蘇る…

原案・企画 : 乙倉俊

日程
2017年 9月2日(土)-3日(日)
会場
RSKバラ園(岡山県岡山市撫川1592-1)

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「KAYA」を振り返っておもうこと 2017年9月25日

KAYAの上演から20日程経ちました。私はあの二日間に何が起きたのか何度か省みようとしましたが なかなか辿り着きませんでした。おそらく私自身が何かに大きく引っ張られたからだからと思います。私自身の思考で動いていたのなら全体をはっきり理解出来るのでしょうけど。
思い返せば この事は最初に企画を立ち上げた時からだったと思います。必要な時に必要な人が目の前に現れ話をしてくれたり、本を貸してくれたり、また急に大和に行きたくなったり。
そればかりかこの企画を立ち上げる前から今回の温羅に関係のあるインドの仏陀伽耶に行ってたり、また韓国公演で2回は車で行ったので釜山から伽耶の地方を通った事になります。今回素敵な仲間達も一杯集まってくれました。やはりブラックホールのような大きな吸引力が働いたのではと思わざるを得ません。一緒にその空間を過ごしてくれたお客様には大変感謝です。

乙倉 俊

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古代ファンタジー温羅の伝説「KAYA」終焉 2017年9月4日

二日間に渡っての「KAYA」の公演が無事終演しました。予想をはるかに上回るほぼ1000人のお客様が来て下さり大変嬉しかったです。しかしその反面気が行き届かなかった事も多々あったのではと反省もしております。
今回の公演は役者さん 音楽家 ダンサー スタッフが力を合わせて作り上げました。総勢80名ぐらいになろうかと思います。みんなが始めての経験で最初は戸惑いもあったように思いますが徐々に心が「KAYA」に向けて1つになって行きました。
皆さんの気持ちが通じたのか沢山の方から感動したとのお言葉をいただきました。
詳しくはまたゆっくりアップしたいと思いますが、まずは来て下さったお客様方に深くお礼を申し上げます。有難うございました。
そしてこの「KAYA」の公演に関わってくれた全ての方々に感謝申し上げます。有難うございました。

乙倉 俊

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古代ファンタジー温羅の伝説「KAYA」上演に当たって 2017年8月10日

思い返せば昨年の8月に親しき方からの勧めもあり温羅伝説を役者さん、音楽家、踊りの方々との共演による総合芸術にしたらどうかなぁと考え始めました。

今まで特に古代史に興味を持っていたわけでは無かった私ですが、いざ作品を作ろうとするとまずは物語の時代背景から考えなければなりませんでした。
本を読みネットを駆使し、そして多くの地に出掛け、多くの人の話を聞かさせて戴きました。そして調べて行くうちに私の頭はまとまる処か飛んでもなく拡がって行きました。

この物語のベースにはシルクロードが大きく関わっています。
弥生人(渡来人)とは? 物部氏、秦氏とは?天皇とは?そして卑弥呼とは?最初はまさかと思っていた事がだんだん確信に変わって行きました。それは物部氏も秦氏そして祭司である天皇も古代ユダヤ人(後のユダヤ人とは違い有色人種)と繋がっているのではという説に出会った事です。ここでは詳しくは触れませんが、興味のある方は古代イスラエルの失われた10支族、弓月国 秦国 新羅 伽耶の辺りを調べて戴ければと思います。

また今回の温羅伝説のタイトル「KAYA」にも秘密が隠されています。温羅が元はインドから来たと言う事、インドのガヤ(仏陀伽耶のある地) 朝鮮半島の伽耶(カヤ、ガヤとも発音する)そして吉備のカヤ(加夜 加陽 加耶とも書く)です。いずれも鉄の産地でした。

こんな事を感じながらこの物語のストリーを追って戴ければより楽しんで戴けるのではと思います。今回私の頭があまりに拡がり過ぎたので脚本は岡山で長年に渡り演劇界を牽引して来た白神貴士氏にお願いしました。そして期待通りそれ以上の素晴らしい脚本を書いてくれました。またこの作品を上演するに当たり多くの魅力ある出演者、スタッフ、後援者に恵まれました。

まだ残暑の厳しい季節ですが皆様方どうぞ古代KAYA王国へ旅をしにお出で下さい。

「KAYA」企画・原作・制作   乙倉 俊